プログラム内容

 

  2月8日(金)プログラム

 

10:3012:00 ドキュメンタリー映画「毎日がアルツハイマー」(字幕・場面説明) 2012/93

 

 ひろこさんは認知症。娘のカメラを通した日々の暮らしは、愛おしくてチャーミング
でも…ちょっと「お〜っと」な親子関係が紡がれていきます。関口祐加監督が自らカメラを回し、二年半に亘って記録してきたアルツハイマーの母との暮らしの動画です。せきぐち家の『毎アル』な日々をお楽しみ下さい。

 

 21世紀の日本は、人口の22%が、65歳以上というd超高齢社会に突入しました。介護の問題は、もはや他人事ではありません。そして、介護の中でも依然、垣根が高く、あまりオープンにされないのが、認知症の介護。認知症の患者数は年々増え続け、このままいけば2030年には330万人を突破するだろうと言われています。2010年、アルツハイマー病であると診断された母と過ごす毎日を、2年半にわたり撮影した動画がYouTubeに登場!介護に悩む人や医者、医療従事者など多くの人々の共感を呼び、累計の視聴数はなんと30View!!100時間以上にわたり撮影した記録を、母の<喜怒哀楽>を通して描いた関口祐加監督の最新劇場版・長編動画『毎日がアルツハイマー』が完成しました。『毎アル』な母と家族の暮らしは、笑って、怒って、泣いて、そしてまた笑う、まるでコメディのような世界です。アルツハイマーの世界を通して、家族のあり方、更には、人間の尊厳とは何かを問う、渾身の『長編動画』がここに誕生しました!

 

 

13:3016:30 「楽しくなければ福祉じゃない 白井佳夫のミュージカル映画史PART2」

 

映画評論家:白井 佳夫 氏

 

1932(昭和7)年、神奈川県生まれ。早大演劇科卒。映画雑誌「きねま旬報」の編集部員を10年、編集長を8年半務めた後、フリーの佳が評論家に。2004年文化庁映画賞受賞。福祉映画祭 in NAGOYAの創設にかかわる。

 


ミュージカル映画史を大展望する豪華2時間半!
「ラ・ラ・ランド」という、いわばミュージカル映画の初歩入門篇的作品が大ヒットして、ミュージカル映画の長い歴史や奥深い魅力というものをもっと本格的に知りたい、というファンが増えています。そこで今回、往年の「キネマ旬報」の伝説的名編集長であり、現在は「週刊新潮」の映画評でこの人が高評価した作品はヒットする、という定評のある映画評論家白井佳夫氏が、豊富な映像資料と知識を駆使して、世界ニュージカル映画史の講義を展開します。その豪華けんらんたる映像と音楽とダンスのスペクタルは、映画ファンを未知のロマンと大きな喜びの世界に導いてくれるはずです。どうぞ、そのエッセンスを心ゆくまでお楽しみください!

 

(アシスタント/内藤和之)

17:0018:45 映画「崖の上のポニョ」(字幕・場面説明) 2008/103

 

どんな時代であれ、5歳の少年から見た 世界は美しく生きるに値する

 

2008年夏、日本だけでなく世界の人々が自信を失い、経済政策の行き詰まり、食糧や原油価格の高騰、地球の温暖化問題など、解決の糸口さえ見つけられず、不安を抱きながら漫然と生きている現代。まさに神経症と不安の時代、この作品の企画を書いた宮崎駿は、まもなくこのような時代がやってくることを予見していたかのように本作品を作りました。

海に棲むさかなの子ポニョが、人間の宗介と一緒に生きたいと我儘をつらぬき通す物語。同時に、5歳の宗介が約束を守りぬく物語でもある。アンデルセンの「人魚姫」を今日の日本に舞台を移し、キリスト教色を払拭して、幼い子供達の愛と冒険を描く。海辺の小さな町と崖の上の一軒家。少ない登場人物。いきもののような海。魔法が平然と姿を現す世界。誰もが意識下深くに持つ内なる海と、波立つ外なる海洋が通じあう。そのために、空間をデフォルメし、絵柄を大胆にデフォルメして、海を背景ではなく主要な登場人物としてアニメートする。少年と少女、愛と責任、海と生命——神経症と不安の時代に、宮崎駿がためらわずに描く「母と子」の物語です。

 

 

  2月9日(土)プログラム

 

10:0012:00 映画「博士と彼女のセオリー」(字幕・場面説明) 2014/123

 

 『人間の挑戦に限界はない。どんなにひどい人生に思えても、生きていれば希望がある』

There should be no boundaries to human endeavor. However bad life may seen, where there is life, there is hope.)

 

 車いすの天才科学者スティーブン・ホーキング博士は最先端の研究に励み、現代の宇宙論に多大な影響をあたえられた。そんなホーキング博士の半生と、博士を支え続けた妻ジェーンとの愛情を描いたヒューマンドラマ。物理学の天才として将来を期待された青年ホーキングはケンブリッジ大学在学中、詩を学ぶ女性ジェーンと出会い、恋に落ちる。しかし、直後にスティーブンはALSを発症。余命2年の宣告を受けてしまう。妻ジューンの献身的な支えを得て、一緒に数々の困難に立ち向かっていくさまをつづる。監督は、第81回アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞受賞作『マン・オン・ワイヤー』などのジェームズ・マーシュ。ホーキング役に『レ・ミゼラブル』などのエディ・レッドメイン、妻ジェーンを『あなたとのキスまでの距離』などのフェリシティ・ジョーンズが演じる。

 

   ALS(筋萎縮性側索硬化症)とは、「福祉映画祭 in NAGOYA 2018」で上映されたドキュメンタリー映画「ギフト 僕がきみに残せるもの」でも紹介された難病で、手足・のど・舌の筋肉や呼吸に必要な筋肉がだんだんやせて力がなくなっていく病気長い間、ALSは発症から5年程度で死に至る病気であると考えられていたが、ホーキング博士は途中で進行が急に弱まり、発症から50年以上にわたり研究活動を続けられた。晩年は意思伝達のために重度障害者用意思伝達装置を使っており、スピーチや会話ではコンピュータプログラムによる合成音声を利用していた。映画が上映された4年後、20183月に他界された。

 

13:3015:30 「パフォーマーとのしゃべり場」 テーマ:みんなちがって、みんないい。

 

 さまざまな分野のパフォーマーたちによる舞台と座談会。それぞれの「みんなちがって、みんないい。」をざっくばらんに語っていただきます。

 

司会:ジェイムス・ヘイブンス 氏

 

 1971年横須賀米海軍基地生まれ。1993年にZIPミュージックナビゲーターとなり、音楽活動やチャリティーイベントにも数多く参加している名古屋の人気タレント。

ゲスト:SOCIAL WORKEEERZ/アガイガウ

 

みんなの垣根を“ 屈抜きの楽しさ”で越える!ダンスで福祉をデザインするパフォーマンスチーム。

 

 SOCIAL WORKEEERZは、『Dance for soçial inclusion』をテーマに掲げ、ダンスや音楽を通じて、理屈や言葉ではないコミュニケーションでみんなが楽しめる空間を提供しています。世の中の笑顔の総量を増やすために日々活動を続けています。



ゲスト:福点(かつら ふくてん)

 

 

落語家。上方落語協会会員。先天性緑内障のため中学生のころから視力を失いましたが、子供のころから音楽に親しむ。1996年、桂福団治師匠に弟子入りし、2009年、師匠より「桂 福点」の名を頂く。現在は師匠の下で古典落語を学びながら、音楽治療にも取り組んでいます。

 

 

17:0018:45 映画「あん」(字幕・場面説明) 2015/113

 

たくさんの涙を超えて、生きていく意味を問いかける

 

「私たちはこの世を見るために、聞くために、生まれてきた。

この世は、ただこれだけを望んていた。

…だとすれば、なにかになれなくても、私達には生きるいみがあるのよ。」

 

ドリアン助川の同名小説「あん」を、世界を舞台に創作活動を続ける監督・河瀨直美が映画化。昨年亡くなられた、日本を代表する女優・樹木希林をはじめ、抜群の演技力で独特の存在感を放つ永瀬正敏、樹木の実孫である新星・内田伽羅(うちだきゃら)や、芸歴50年を超えようやく樹木との共演が実現した市原悦子など、豪華キャストで贈る、心揺さぶる作品がここに誕生した。

 

季節は春。桜の咲き乱れる公園に面したどら焼き屋、『どら春』で、辛い過去を背負う千太郎は雇われ店長を続け、日々どら焼きを焼いていた。ある日この店を徳江という手の不自由な老婆が訪れ、バイトに雇ってくれと千太郎に懇願する。彼女をいい加減にあしらい帰らせた千太郎だったが、手渡された手作りのあんを舐めた彼はその味の佳さに驚く。徳江は50年あんを愛情をこめて煮込み続けた女だったのだ。店の常連である中学生ワカナの薦めもあり、千太郎は徳江を雇うことにした。徳江のあんを使ったどら焼きのうまさは評判になり、やがて大勢の客が店に詰めかけるようになる。だが、店のオーナーは徳江がかつてハンセン病であったとの噂を聞きつけ、千太郎に解雇しろと詰め寄る。そしてその噂が広まったためか客足はピタリと途絶え、それを察した徳江は店を辞めた。素材を愛した尊敬すべき料理人である徳江を追い込んだ自分に憤り、酒に溺れる千太郎。ワカナは彼を誘い、ハンセン病感染者を隔離する施設に向かう。そこにいた徳江は、淡々と自分も自由に生きたかった、との思いを語るのだった。

 

 

都合により内容が変更になる場合があります。  会場にはヒアリングループ席と車いす席があります。  しゃべり場、ミュージカル企画には手話・要約筆記がつきます。

     すべての作品に日本語字幕とシーンボイスガイドがつきます。